「そらいろのたね」なかがわ りえこ 文  おおむら ゆりこ 絵

そらいろのたねがあったら、植えてみたいと思いませんか。

たねを植えるときって、どきどきします。ちゃんと芽がでてくるかしら? ちゃんと大きくなるかしら? ちゃんと花がさくかしら?

何のたねだかわからなかったら、もっとどきどきするでしょう?

植えてすぐに芽が出て、しかもそれが「そらいろのいえ」だったら、いっしょうけんめい育てますよねえ。

そして、その「そらいろのいえ」に集まってくる仲間はみんな仲良し。

たねをうえたゆうじ、ひよこ、ねこ、ぶた、たろうとはなこ、しげるとひろしとくみこ、うさぎ、りす、はと、いのしし、たぬき、おとうさんぞうとおかあさんぞうとこどものぞう・・・

まだまだ集まってくる仲間の中には、よく見ると、のねずみのぐりとぐらもいます。ついに、こどもがひゃくにん、どうぶつがひゃっぴき、とりがひゃっぱ。お花もたくさん咲いています。

それなのに、きつねは、みんなを追い出して、「そらいろのいえ」をひとりじめ。

きつねは、みんな仲良しなのがちょっとうらやましかったのかな。みんなと一緒にいたら、「そらいろのいえ」は、そのままだったのかな。

めをまわしてのびてしまったきつね、めをさまして、もう一度そらいろのたねを手に入れたら、こんどはみんなと仲良く大きな家に住めるのかな、そんなことを思いながら、最後のページのきつねのおなかをこちょこちょしてみました。